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垣見亮磨さん TeraNano "Best Presentation Prize" 受賞

2014年3月13日から14日に大阪大学レーザーエネルギー学研究センターで開催された4th International Symposium on Terahertz Nanoscienceにおいて、垣見亮磨さん(大学院博士前期課程)がBest Presentation Prizeを受賞しました。この賞は、学生によるプレゼンコンテストにおいて優秀な人に贈られる賞です。

Society4th International Symposium on Terahertz Nanoscience (TeraNano4)
ThemeA Photonic-Crystal Terahertz-Wave Absorber and Its Application to THz Communications (2014/3/14)
Overviewフォトニック結晶スラブを用いた平面薄型テラヘルツ波吸収体の実現とその近接無線通信システムへの応用

我々は大型なテラヘルツ波システムを小型集積化する為の受動素子の設計に取り組んでいる。今回はその主要素子である伝送路と入出力デバイスの設計について報告した。
設計した伝送路は、フォトニック結晶の電磁波閉じ込めの技術をテラヘルツ波帯に応用することにより、電磁波の伝送効率を示す指標である伝搬損失を0.2 dB/cm以下まで低減、現状の平面導波路技術を1桁以上下回るものである。この伝送路を用いて、世界初となるテラヘルツ帯の平面導波路を用いたHDTV信号伝送のデモンストレーションにも成功した。

テラヘルツ波近接無線通信はモバイル端末を用いた超高速非接触通信への応用が期待されている。しかし通信機器間でテラヘルツ波が多重反射し通信が不安定になるという問題があるため、不要な反射を防ぐ平面薄型のテラヘルツ波吸収体が必要である。

シリコンウエハより作製したフォトニック結晶スラブと反射板を組み合わせることで、0.3 THz帯で動作する平面薄型のテラヘルツ波吸収体を実現した(a)。
テラヘルツ時間領域分光システムを用いて吸収体の吸収スペクトルを測定したところ最大吸収率99.9%以上、動作帯域(吸収率≧90 %の帯域)50 GHzを得た(b)。

更に作製した吸収体の実用性を確認するため、0.3 THz帯のハイビジョン映像近接無線伝送システムに応用した。吸収体を用いることで送受信アンテナ間の不要な反射が抑制されるため、伝送距離が変化しても映像が途切れることなく安定して通信を行う事ができた。

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